事務所便り
東京都がカスハラ防止のための団体共通マニュアルを公表しています (2025-04)
◆カスハラ問題に対処する新たなマニュアル
東京都が「カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル(業界マニュアル作成のための手引)」を公表しました。これは、各業
界団体において、その業界独自のマニュアルを作成する場合に盛り込むべき共通事項および作成上のポイントをまとめたものです。都内の事業者以
外にも参考となる内容ですので、ご紹介します。
◆主な内容
- 総論:マニュアルづくりに必要な基本事項として、基本方針やカスハラの定義を定めるとともに、業界で見られる迷惑行為、業界特有の事 情・背景を盛り込みます。そのために、アンケート調査等を行うのも効果的です。
- 未然防止:カスハラの未然防止が最も大切です。そのためにも、顧客との良好な関係づくりについての啓発、相談体制の整備、クレームへ の初期対応の検討、教育・研修の実施などに取り組むことを挙げています。
- 発生時の対応:カスハラの判断基準をつくり、あらゆる場面に備えます。場面別の対応方針や、顧客対応の中止、警察との連携について検 討します。
- 発生後の対応:カスハラを受けた方のケアを最優先し、再発防止に取り組みます。組織として対応することが重要です。顧客等の出入禁止 についても方針を定めます。
- 企業間取引:企業間取引を背景としたカスハラにも要注意です。社員がカスハラの被害者・加害者となる可能性を念頭に、企業間で連携し て対処することが必要です。
このマニュアルには、上記についての具体的手法のほか、取組状況の確認に使えるチェックシート等も掲載されています。東京都のウェブサイト 「TOKYOはたらくネット」からダウンロード可能です。詳細については、以下のホームページをご参照ください。
【東京都「カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル」】
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/plan/kasuharamanual/index.html
厚生労働省が「男女間賃金差異分析ツール」を公開しました (2025-04)
◆日本における男女間賃金差異
日本における男女間の賃金格差は長期的にみると縮小傾向にありますが、それでも国際的にみるといまだに大きいというのが現状です。具体的に
いうと、男性のフルタイム労働者の賃金の中央値を100とした場合の女性のフルタイム労働者の賃金の中央値は、日本は78.7であるのに対
し、OECD諸国の平均値は88.4となっています(「男女共同参画白書 令和6年版」より)。
◆政府の施策
こうした状況に対処するため、政府は法制度の改正や資料の作成、情報発信などを行っています。令和4年7月8日には、女性活躍推進法に関す
る制度改正が行われ、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対して「男女の賃金の差異」の公表が義務づけられました(当該項目は新
設の開示項目)。なお、開示対象企業を、非上場を含む従業員数101人以上の企業とすることが検討されています。
◆「男女間賃金差異分析ツール」
政府は3月3日、企業における男女間賃金差異の課題・要因分析を支援するため、簡易な要因分析ツールである「男女間賃金差異分析ツール」を
公表しました。同ツールはExcelで作成されており、厚生労働省のホームページからダウンロードすることで利用できます。画面の指示に沿っ
て自社の従業員の給与情報等を入力することで、男女間の賃金差異、その要因に関する数値、同業他社との平均値の比較などを分析することができ
ます。ほかにも、役職を持つ女性の割合や勤続年数についての分析もできます。また、「活用パンフレット」も公表されており、分析結果に基づく
課題別の目標・取組みの設定方法や、「一般事業主行動計画」への活用方法などが解説されています。
厚生労働省の「女性活躍推進法特集ページ」には、関連する制度改正や政府の取組み・好事例集などがまとめられているので参考になります。また
分析ツールはExcelですぐにダウンロードでき、数値を入力していくことで自動的に分析ができるので是非試しに利用してみるとよいでしょ
う。
【厚生労働省「「男女間賃金差異分析ツール」を公開しました」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_53416.html
【厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
4月から教育訓練を受けると基本手当の給付制限が解除されます (2025-04)
雇用保険の被保険者が正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、基本手当の受給資格決定日から7日間の待期期間満了後1~3か月
間は基本手当を支給されません(「給付制限」といいます)。
令和7年4月以降にリ・スキリングのために教育訓練等を受けた(受けている)場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できるようになりま
した。
◆給付制限が解除され基本手当を受給できる方
次のいずれかの教育訓練等(令和7年4月1日以降に受講を開始したものに限る)を離職日前1年以内に受けた方(途中退校は該当しません)ま たは離職日以後に受けている方
- 教育訓練給付金の対象となる教育訓練
- 公共職業訓練等
- 短期訓練受講費の対象となる教育訓練
- 1.~3.に準ずるものとして職業安定局長が定める訓練
◆給付制限解除のイメージ
離職前1年以内に教育訓練等を受けたことがある場合は、待期満了後から給付制限が解除されます。離職日以後に教育訓練を受ける場合は、受講
開始日以降給付制限を受けないことになります。
◆教育訓練等を受けた(受けている)場合の申し出
受講開始以降、受給資格決定日や受給資格決定後の初回認定日(初回認定日以降に受講を開始した場合は、その受講開始日の直後の認定日)まで に申し出る必要があります。
給付制限期間が2か月以上で、初回認定日以降かつ給付制限期間中に教育訓練等の受講を開始する場合には、申し出の期限に注意が必要です。
- 「初回認定日」以降かつ「認定日の相当日」前である場合は、受講開始日直後の「失業認定日に相当する日」までに申し出をする必要があ ります。
- 「認定日の相当日」以降かつ「給付制限期間満了後の失業認定日」前である場合は、「給付制限期間満了後の失業認定日」までに申し出を する必要があります。
【厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」】
https://www.mhlw.go.jp/content/001441564.pdf
令和7年度の雇用保険料率 (2025-03)
厚生労働省は、令和7年度の雇用保険料率の案内を公開しました。令和5年4月~令和7年3月までの保険料から0.1%引き下げとなりました。
◆一般の事業の雇用保険料率
労働者負担と事業主負担あわせて14.5/1,000となります(令和7年3月までは15.5/1,000)。失業等給付・育児休業給付の 保険料率が労働者負担・事業主負担ともに6/1,000から5.5/1,000に変更になったことで0.1%引き下げられました。
事業主のみ負担となる雇用保険二事業の保険料率についての変更はなく、3.5/1,000です。
◆農林水産・清酒製造の事業
農林水産・清酒製造の事業の雇用保険料率は労働者負担と事業主負担あわせて16.5/1,000となります(令和7年3月までは17.5
/1,000)。
◆建設の事業
建設の事業は労働者負担と事業主負担あわせて17.5/1,000となります(令和7年3月までは18.5/1,000)。
人手不足対策に欠かせないデジタルリテラシーの向上 (2025-03)
深刻化する人手不足問題に対し、多くの企業が様々な対策を講じています。労働政策研究・研修機構の調査によると、小売・サービス業の約60%
の企業が正社員の人手不足を感じており、その対応に苦慮しています。
◆ICT活用による業務効率化
調査結果によれば、人手不足対策として最も多く実施されているのが「ICTの活用による業務の効率化・自動化」で、約75%の企業が実施し
ています。他の業界においても、RPAの導入やAIを活用した業務支援システムの実装が進んでいます。今後は、単純作業や定型業務はAIなど
を活用し、人は付加価値の高い業務に集中させることが必要です。
◆人材育成とデジタルリテラシーの向上
人手不足対策の成功には既存社員のスキルアップが不可欠です。業務のデジタル化が進む中、社員のICTリテラシー、さらにはより視野の広い 「デジタルリテラシー」の向上は企業の競争力強化に直結します。
デジタルリテラシーとは、デジタル技術全般を理解し、効果的に活用するための幅広いスキルや能力を指し、ICTスキルに加えて、情報の検索 や評価、プライバシーやセキュリティの管理に関する知識・スキルなどが含まれます。
会社はまず、デジタルリテラシー向上の目的を明確にし、全従業員と共有することで、社内の意識統一を図る必要があります。その上で、デジタ
ルスキルに関する知識やノウハウを共有する仕組みを整えたり、教育を行うことが必要です。
◆多様な人材が活躍できる環境づくりも
一方で、調査結果からは、求人募集時の賃上げや採用方法の多様化、高齢者・女性・外国人材の積極的な登用も、人手不足対策として重要なポイ ントであることがわかります。これらに関する制度整備も、企業が勝ち残っていくためには必要な取組みでしょう。
【独立行政法人労働政策研究・研修機構「人手不足とその対応に係る調査(事業所調査)―小売・サービス事業所を対象として―」】
https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/248.html
外国人労働者数が約230万人と過去最多を更新~厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」より (2025-03)
厚生労働省は令和7年1月31日、令和6年10月末時点の外国人雇用についての届出状況の取りまとめを公表しました。
日本で働く外国人は2024年10月末時点で前年と比べ12.4%増えて、230万2,587人に上り、過去最多を更新しました。人手不足
を背景に、企業が外国人の採用を強化しています。
◆外国人労働者数は230万2,587人で、過去最多を更新
外国人労働者数は230万2,587人で、前年比で25万3,912人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多を更新しまし
た。対前年増加率は12.4%と、前年と同率でした。
◆外国人を雇用する事業所数も過去最多を更新
外国人を雇用する事業所数は34万2,087所で、前年比2万3,312所増加し、届出の義務化以降、こちらも過去最多を更新しています。
対前年増加率は7.3%と、前年の6.7%から0.6 ポイントの上昇でした。
◆国籍別ではベトナムが57万708人で昨年同様に最多
国籍別ではベトナムが最も多く57万708人で、外国人労働者数全体の24.8%を占めています。次いで中国40万8,805人(全体の
17.8%)、フィリピン24万5,565人(全体の10.7%)の順となっています。
◆在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が71万8,812人で最多
在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が届出義務以降初めて最多となり71万8,812人で、前年比12万2,908人 (20.6%)の増加、次いで「身分に基づく在留資格」が62万9,117人で、前年比1万3,183人(2.1%)増加、「技能実習」が 47万725人で、前年比5万8,224人(14.1%)増加しました。
【厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50256.html
障害者の雇用状況と法定雇用率引上げ~厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」等より (2025-02)
厚生労働省は令和6年12月20日、令和6年の「障害者雇用状況」集計結果を公表しました。障害者雇用促進法では、事業主に対し、常時雇用す
る従業員の一定割合(法定雇用率。民間企業においては2.5%)以上の障害者を雇うことを義務付けています。
◆民間企業における雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新
民間企業(常用労働者数が40.0人以上の企業:法定雇用率2.5%)に雇用されている障害者の数は67万7,461.5人(3万
5,283.5人増、対前年比5.5%増)、実雇用率2.41%(対前年比0.08ポイント上昇)で、雇用障害者数、実雇用率いずれも過去最
高を更新しています。一方で、法定雇用率達成企業の割合は46.0%(対前年比4.1ポイント低下)となっています。
◆雇用者の内訳では、精神障害者の雇用増加の伸び率が大きい
雇用者のうち、身体障害者は36万8,949.0人(対前年比2.4%増)、知的障害者は15万7,795.5人(同4.0%増)、精神障
害者は15万717.0人(同15.7%増)と、いずれも前年より増加しています。特に精神障害者の伸び率が大きくなっています。
◆法定雇用率未達成企業の状況
法定雇用率の未達成企業は6万3,364社で、そのうち、不足数が0.5人または1人である企業(1人不足企業)が、64.1%と過半数を
占めています。また、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は3万6,485社であり、未達成企業に占める割合は、57.6%と
なっています。
法定雇用率は、令和8年度に2.7%へと段階的に引き上げられます。企業は継続して障害者雇用の推進に取り組む必要があります。
【厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001357856.pdf
SNS等に労働者の募集に関する情報を載せる際の注意点 (2025-02)
◆労働者の募集広告には、募集主の氏名等の表示が必要
職業安定法では、インターネットやX等のSNSを含む広告等により、労働者の募集に関する情報等を提供するときは、虚偽の表示または誤解を 生じさせる表示をしてはならないこととされています(第5条の4)。
昨今、インターネットで犯罪実行者の募集が行われる事案(闇バイト)が見られ、その中には、通常の労働者募集と誤解を生じさせるような広告 等も見受けられることから、厚生労働省は、SNS等を通じて直接労働者を募集する際には、①募集主の氏名(または名称)、②住所、③連絡先 (電話番号等)、④業務内容、⑤就業場所、⑥賃金の6情報は必ず表示するよう、事業者に呼びかけています。
- 「住所(所在地)」はどこまで記載すればよいか?
ビル名、階数、部屋番号まで記載する必要があります。
- 「連絡先」として何を記載すればよいか?
電話番号、メールアドレスまたは、自社ウェブサイト上に備え付けられた専用の問合せフォームへのリンクのいずれかを記載する必要がありま す。
- 氏名等の情報自体を記載せず、氏名等の情報が記載されている会社ウェブサイトの募集要項等のリンクを記載することでも問題ないか?
会社ウェブサイトの募集要項等のリンクのみでは、そもそも求人であるかどうかも含め、誤解を招く可能性があるため、募集情報を提供する広 告等自体に上記6情報を記載する必要があります。
- 業務内容、就業場所および賃金については、職業安定法第5条の3や労働基準法第15条で求められるのと同じように詳細を記載する必要
があるか?
必ずしも同じである必要はないが、求職者が誤解を生じないよう、業務内容や就業場所、賃金について記載する必要があるとしています。
例えば、就業場所について、「就業場所の変更の範囲」は記載せず「雇入れ直後の就業場所」のみを示す形や、複数の候補を示し、「応相談」 とする形、賃金について、「時給1,500円~」とする形でも、記載があれば、直ちに職業安定法第5条の4違反とはならないと考えられる としています。
【厚生労働省「労働者の募集広告には、「募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先(電話番号等)・業務内容・就業場所・賃金」の表示が必要
です」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html
高年齢者の雇用状況~厚生労働省「令和6年 高年齢者雇用状況等報告」より (2025-02)
◆65歳までの高年齢者雇用確保措置の実施状況
厚生労働省は、従業員21人以上の企業237,052社からの報告に基づき、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律で義務付けられている 「高年齢者の雇用等に関する措置」について、令和6年6月1日時点での企業における実施状況等を取りまとめ、公表しています。
それによれば、65歳までの高年齢者雇用確保措置について「継続雇用制度の導入」により実施している企業が67.4%[前年比1.8ポイン
ト減少]、「定年の引上げ」により実施している企業は28.7%[同1.8ポイント増加]となっています。
◆70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況と定年制の状況
また、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は31.9%[同2.2ポイント増加]となっており(中小企業では32.4%[同 2.1ポイント増加]、大企業では25.5%[同2.7ポイント増加])、65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は32.6%[同 1.8ポイント増加]となっています。
就業確保措置を実施済みの企業について措置内容別に見ると、定年制の廃止は3.9%[変動なし]、定年の引上げは2.4%[同0.1ポイン
ト増加]、継続雇用制度の導入は25.6%[同2.1ポイント増加]、創業支援等措置の導入は0.1%[変動なし]となっています。
◆人手不足への対応
現在、多数の企業が人手不足を実感している中、人材確保は企業経営にとって死活問題となっています。高齢者の雇用、活用は、このような人材 確保の面からも今後さらに重要テーマとなっていくことでしょう。
【厚生労働省「令和6年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11703000/001357147.pdf
ハローワークにおける求人不受理の対象が追加されます (2025-01)
◆ハローワークにおける求人不受理の対象とは?
ハローワークの求人は、労働関係法令の規定に違反し、企業名公表等の措置が講じられた者からの求人の申込みについては受理しないことができ ると、職業安定法の政令に規定されています。
例えば、労働基準法や最低賃金法の規定に、過去1年間に2回以上、同一条項違反で是正指導を受けた場合は是正後6カ月経過まで不受理となり
ます。送検・公表された場合は、送検後概ね1年経過まで不受理となります。また、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法の規定に違反し、是正
を求める勧告等に従わずに公表された場合も是正後6カ月経過まで不受理となります。
◆改正育児・介護休業法の施行にあわせて求人不受理の対象が追加
2024年の通常国会で成立した改正育児・介護休業法は、一部が2025年4月1日と2025年10月1日の2回に分けて施行されます。こ の改正法の施行にあわせて、求人不受理の対象が追加されます。
具体的には、労働者が家族の介護の必要性に直面した旨を事業主に対して申し出たことを理由とした不利益取扱いの禁止への違反が、2025年 4月1日から追加されます。
また、(1)労働者から確認された就業に関する条件に係る意向の内容を理由とした不利益取扱いの禁止、(2)柔軟な働き方を実現するための 措置(3歳から小学校就学までの子を養育する労働者に対する始業時刻等の変更等の措置)の実施義務、(3)事業主が講じた柔軟な働き方を実現 するための措置に係る申出をしたこと等を理由とした不利益取扱いの禁止を定めた規定への違反について、2025年10月1日から追加されま す。
【厚生労働省「第376回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 資料」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45125.html
外国人技能実習生の転籍要件が明確化されました (2025-01)
◆技能実習の運用要領を改正
出入国在留管理庁が、外国人技能実習の運用要領を改正し、転籍を可能とする場合の要件に、「ハラスメントを受けている場合」が明記されまし た。技能実習生の失踪の増加や、外国人労働者に対する人権侵害に対する批判が国際的にも高まっていることを受けた対応だと思われます。
技能実習生は原則3年間転籍ができませんが、「やむを得ない事情」があったときは、受入企業を変更する転籍が認めています。
これまで、この「やむを得ない事情」にどのような場合が該当するのか定義があいまいでしたが、暴行や各種ハラスメント(暴言、脅迫・強要、 セクハラ、マタハラ、パワハラなど)を受けている場合、重大悪質な法令違反・契約違反があった場合に転籍できることが明確化されるとともに、 直接被害を受けた技能実習生だけでなく、同僚の技能実習生についても対象となりました。
技能実習であるからといって、ハラスメントや賃金不払いなどの法違反が許されないことが明確にされた形です。また、転籍を申し出るための専
用様式も作成されたそうですので、今後は転籍の申出がなされやすい状況となったようです。
◆技能実習制度は「育成就労制度」へ
労働基準法違反・法定労働時間を超えた労働、労働安全法違反、労災隠し、賃金未払い、実習計画に基づかない実習などは、認定の取り消しや是 正指導、送検等につながります。
技能実習制度はあらたに「育成就労制度」への見直しが行われます。新たな制度は2027年の開始が見込まれますので、今後の動向に注意して おきましょう。
【「技能実習制度における「やむを得ない事情」がある場合の転籍の改善について」】
https://www.moj.go.jp/isa/content/001426916.pdf
1月20日から、希望する離職者のマイナポータルに離職票を直接送付するサービスが始まります (2025-03)
◆離職票が使われる場面
離職票とは、雇用保険の被保険者が離職後に求職者給付(基本手当等)を受給するために必要な書類です。離職票は現在、ハローワークから事業
所を通して離職者に送られていますが、2025年1月20日から、希望する離職者のマイナポータルに直接送付するサービスが始まります。離職
者がハローワークで求職の申込みをするには、事業所から離職票が届くまで1週間から10日ほど待つ必要がありましたが、新サービスを使えばそ
の期間が短縮されます。事業所は離職者に離職票を送る手間が省けます。
◆離職票が送付されるまでの流れ
現在、事業所が資格喪失届と離職証明書をハローワークに提出すると、離職証明書は3枚複写になっており、ハローワークはそのうち事業主控と
離職票を事業所に郵送または電子送付します。事業所はその離職票を離職者に郵送します。2025年1月20日から一定の条件を満たした場合
は、事業所が資格喪失届と離職証明書をハローワークに電子申請すると、ハローワークは離職証明書の事業主控を事業所に電子送付し、離職票を離
職者のマイナポータルに直接送付します。
◆離職票のマイナポータル直接送付のために事業所がやるべきこと
- 被保険者の方に被保険者向けリーフレットを使って周知しましょう。このサービスが被保険者の任意であることに留意する必要がありま す。
- 被保険者本人のマイナポータルで、マイナンバーがハローワークに登録されているか確認してもらいます。登録されていない場合は、事業 所が「個人番号登録・変更届」をハローワークに提出し、マイナンバーを登録してください。
- 被保険者のマイナンバー登録が済んでいる場合は、被保険者本人にマイナポータル上で「雇用保険WEBサービス」との連携設定を行って もらいます。2.及び3.は資格喪失届提出の2週間前までに行ってください。
- 雇用保険の離職手続を電子申請で行ってください。電子申請ではなく紙様式でハローワークに届け出た場合は、離職票は従来どおり事業所 経由となります。
【厚生労働省「〔事業主の皆さまへ〕2025年1月から、希望する離職者のマイナポータルに「離職票」を直接送付するサービスを開始しま す!」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001353550.pdf